「半端ない」サッカー日本代表 =校長 小山田 学=
- 公開日
- 2023/01/16
- 更新日
- 2023/01/16
学校だより2022
先週、12月17日発行の道新こども新聞“週間まなぶん”の一面特集は、「『なにげに』広まる若者の言葉」でした。紙面では、「ぶっちゃけ」「なにげに」「ちがくて」「半端ない」という表現を、どの程度若者が使うのかを調査したアンケートの結果が掲載されており、それぞれの表現が若い世代から広まっていることが紹介されていました。
文化庁が毎年行う国語世論調査では上記の、元々の言葉を短くした新しい表現に加え、「おうち時間」や「黙食」などの言葉も「コロナ禍の生活で社会にだいぶ定着した」と分析していました。古い話で恐縮ですが、昔流行した「チョベリバ」「チョベリグ」に始まり、KY(空気読めない)なども、元々の言葉を限りなく短縮した形と言えますね。(一応解説しますと、チョベリバは超very bad、チョベリグは超very goodの略です…念のため)
さて、表題の「サッカー」について、今年はカタールW杯が行われ、連日ニュースを見聞きされた方も多かったのではないでしょうか。日本代表チームは優勝経験国の強豪ドイツ、スペインを次々と倒し、2大会連続でベスト16進出となり、世界を驚かせました。まさに「半端ない」快進撃となったわけです。また、VAR(ビデオアシスタントレフリー)という仕組みが今大会から新たに導入され、教育界のGIGAスクール構想のみならず、サッカーの世界にもテクノロジーが活用されるようになったことは、まさに新時代を予見させるものとなりました。ところで、今では聞き慣れたこの「サッカー」という名称はどのようにしてうまれたのでしょうか。「サッカー」の成立は100年以上前、時代はビクトリア朝時代(1800年代後半)にさかのぼります。イギリスのパブリックスクールで行われていた球技、フットボールがルーツです。当時は学校ごとにルールが違い、ボールを手で扱っても良いところもあれば、足でのみ扱うことしか許されない学校もありました。(1823年にエリス少年がフットボールの試合中、突然ボールを手で持ってゴールをしたことから始まったとされるラグビーは、イギリスのラグビー校がルーツと言われています。)それぞれの学校で楽しまれていたフットボールですが、各パブリックスクールの卒業生が大学に進むと、ルールの違いから一緒に競技を行うことができないという困ったことが起こりました。このため、ケンブリッジ大学では統一ルールの作成に取りかかり、後にフットボール協会(FA)に認められた統一ルールが完成、これ基づく競技の正式名称を「association football=協会式フットボール」と決めました。このことから、当時は、協会式のルールに基づくフットボールをアソシエーションフットボールと呼んでいました。しばらくして、いちいちこの長い競技名を口にするのが面倒になってきた頃と時を同じくして、当時の大学生の間では単語を短くして「er」を追加した言葉を作ることが流行しており、そこで、association footballも短く短縮され、associationのassocにerをつけ、assoccerという呼び方が生まれました。それを使っていくうちに「“アサッカー”だと語呂が悪い」ということになり、次第に最初のaを発音しないようになって、だんだんと、現在の「サッカー」となっていったわけです。
ということで、言葉を短縮するやり方は、昔から、そして世界で共通の方法だということがわかります。また、フットボールの起源には諸説ありますが、その一つに「豊作を祈る祭事に由来する」というものがあります。これはボールを太陽に見立て、村と村の中間からスタートして、自分の村にボール(太陽)を持ち帰る(ゴールする)と、その年の豊作が期待できる、という豊穣を期待するお祭りです。現在でもこの原型のようなお祭りが世界各地に残っているようです。ここ美唄市も農業が基幹産業の街ですので、とても興味深いお話ですね。
ここ美唄市では、平成22年度から「地域に根ざし、暮らしに学ぶ」をテーマとして農業の実体験活動を行い、子どもたちの将来にわたる生きる力につなげるよう事業を進めており、これらを「グリーン・ルネサンス推進事業」と名付け、様々な活動を展開しています。先日、これらの成果を発表する今年度のシンポジウムが市民会館で開催され、本校5年生児童5名が学校を代表して参加し、発表を行いました。とても素晴らしい発表に、参加された方々から高い評価を得ました。その際、市長と教育長と記念撮影をしていただきました。
写真の天野教育長は本校の第13代校長として、平成21年4月から平成23年までの2年間を務められたのちに、令和元年9月21日から一期3年、教育長を務められました。しかし残念なことに先日、令和4年末日をもって退任されることが報道されたところです。大変お疲れさまでした。これまで様々な場面でお世話になりました。ありがとうございました。今後は地域から私たちを見守り、応援していただきたいと思います。
最後になりますが、保護者の皆様・地域の皆さまには、今年1年大変お世話になりました。厚く感謝申し上げます。令和5年もどうぞ、よろしくお願いいたします。よい年をお迎えください。